<竣工年>
2021年7月
<所在地>
宮城県仙台市青葉区
<構造>
木造2階建
<延床面積>
149.95㎡(45.36坪)
<本体価格>
1,550万円
<キーワード>
リノベーション リフォーム 戸建リノベ 2階リビング 小上がり和室 造作洗面台 梁のある家 ステンレスキッチン 断熱改修
元々賃貸として住んでいた一軒家を施主様が購入したタイミングで、間取りからフルリノベーションした物件です。
築45年のお住まいは、1階は、ガレージと玄関ホールのみで、2階に居室と水回りがあるユニークな間取りでした。
そのお住まいを、フルリノベーションさせていただきました。
ポイントとしては、和室・キッチン・廊下と区切られていた空間を再構築し、対面カウンターのキッチンと小上がりの和室を設けることで開放感のあるLDKに。
水回りの配置を変え、バスルームには1坪サイズのUB(ユニットバス)を導入、分かれていた洗面所と脱衣室も使いやすいように1つにまとめました。
個室のうちの一部屋はトイレ・洗面所・クローゼットを個別に設け、外部から直接出入りできるようにしました。
時を刻んだモノだけが持つ素材の魅力を活かしつつ、最新の家づくりの考え方や設備・仕様を取り入れながら、リノベーションによって素敵な住まいへと生まれ変わりました。
元々あった床の黒いタイルは、大ぶりで趣があるためそのまま生かした設計をしています。玄関はガレージから直接出入りできるようになっています。玄関ドアは、シンプルな木製ドアに取り替えました。
レトロな襖とタイルとが「和モダン」な雰囲気を醸し出す玄関。左側のドアは、玄関収納です。
床材や階段の踏板は元々赤色のカーペット敷きとなっていました。それを木のフローリングに変えたことで、明るく爽やかな雰囲気になりました。曲線が美しい手すりはそのままに、白く塗装することでモダンに生まれ変わりました。
上から見た階段。吹抜であることや手すりのデザインとの相性を考え、丸型のペンダントライトを設置しました。ガラスの窓によって明るさも確保しています。
築45年の日本家屋。どこの家もこうした部屋が家族のだんらんの場でした。
リノベーションによって、フローリングの洋室に変更、キッチンとの間の壁も取り払ってオープンな空間に。開放的で機能的なLDKに生まれ変わりました。天井の2本の梁は、古屋の解体の際に出てきたもの。当初天井の高さは、キッチンの天井高に合わせる予定でしたが、梁を活かした設計を行うことにしたため、リビングの天井も高くなり、のびやかな空間になりました。新しいLDKの中で、家族の歴史を刻んできた「梁」の存在がアクセントとなっています。
かつての家にあった「台所」。個別の空間として、家族のだんらんの場から切り離されていました。台所、お風呂場、洗面所、トイレなどの水回りの老朽化は著しく、リノベーションのきっかけとなる場所の一つでもあります。
キッチン、リビング、ダイニングと一体化し、「LDK」へ。明るく開放的な空間には、アイランドキッチンを採用。施主様のこだわりで、スタイリッシュなオールステンレス製を選びました。
ステンレスのシステムキッチンと、ナチュラルなキッチンカウンターが調和するキッチン。壁面に埋め込まれている棚は元々あった造り付けの棚。古い塗装を剥がして、部屋の雰囲気に合わせて再塗装しました。 その下の収納カウンターは、造作によるものです。
小上がりの部屋(洋室)。隣の部屋とつながっていることもあり、落ち着かない雰囲気でした。
かつての洋室は、畳を敷いて和室に変更。壁際に新たに吊り収納を設け、下に間接照明を設置することで、おしゃれな和モダンの空間となりました。
引戸を全て閉めることで個室化できるようにしています。
暗く、寒々としたトイレ。
以前は、洗面所から出入りするしかありませんでした。
廊下から直接入れるように位置を変更したほか、トイレ内に専用手洗い器、タンクなしのコンパクトな便器などを付けました。
アクセントクロスは優しいニュアンスカラーのブルー。側面も青系の花柄模様のクロスを貼っています。
かつての家には廊下の途中に30cmほどの不自然な段差がありました。階段の段差は一般住宅の場合は20㎝前後のため、30㎝の段差はかなり大きいものになります。そのため1段追加することで無理なく上がれるようにしています。
北側の洋室。正面のクローゼットは、かつての押し入れを作り替えました。
壁と天井に同色のクロスを貼ることで、空間を広く感じさせる効果があります。ニュアンスカラーのため、広い面積に使っても落ち着いた印象となっています。クロスの色や柄は全て施主様のセレクトです。
薄暗い洗面所。洗面ボウルが小さく、収納スペースも狭いため、長年不便さを我慢して使っていたそうです。
淡いグリーンの壁に、木のカウンターが調和したナチュラルな雰囲気の洗面室。
横長の大きな造作洗面台は、木のカウンターに角型の実験用流しを埋め込んで造った特注品です。
以前は、在来工法のタイル張りの浴室だったため、バスタブも小さく、足を縮めて入るしかありませんでした。
浴槽の向きなどを変更することで広くできた上、バスタブも壁も白くしたため、光が回って明るく爽やかなバスルームになりました。ユニットバスは脚を伸ばしてゆったり入浴できるサイズです。
リビングにつながる南の洋室。
出入口近くの通路幅を広げ、壁面にクローゼットと収納棚を設けました。
元々トイレと洗面台を設置していたため、他の部屋から独立した状態で使用できます。掃き出し窓に鍵を取り付けることで、バルコニーを通じて外から直接出入りできるようにしました。
以前は洗面台とトイレの間に仕切りがなく、暗く寒々としていました。
洗面台とトイレの設備は再利用し、取り付け場所を変更しました。設備はそのままでも、内装を変えることで部屋の雰囲気が一新し、見違えるようになりました。