こんにちは、ソライエの小野松です。
前回、木のフローリングをご紹介しましたが、
https://www.solaye.co.jp/wp/column/16628 <住まいをアップグレードしてくれるフローリングのいろいろ>
今回は、それ以外によく使われている床材についてご紹介します。
●水周りによく使われる床材
よく使われている床材としては、大きく分けてクッションフロア、フロアタイル、長尺(ちょうじゃく)シートがあります。
クッションフロアはその頭文字をとってCFシートとも呼ばれています。その名の通りクッションがついているため、足裏にソフトな感触が伝わります。一方で、フロアタイルは硬くしっかりした踏み心地です。長尺シートは、防滑性ビニル床シートとも呼ばれ、クッション付きと付いてないタイプがあり、耐久性に優れているという特徴があります。クッションフロア、フロアタイル、長尺シートも素材は同じ「ポリ塩化ビニル」。一般的にクッションフロアは住宅用として、長尺シートは商業施設などで主に使われています。
近年は、木目調や大理石調などは素材感のあるデザインも登場するなどデザインの自由度がアップしています。さらに、抗菌仕様など機能性に優れた製品もあり、選択肢がより増えています。
◆クッションフロア(CF)
デザインが豊富○、シート状で目地が出にくい、発泡層が入っているためやわらかい=踏み心地○・耐久性△、厚みは1.8mm~2mm程度が一般的。
◆フロアタイル
デザインが豊富◎、タイル(パネル)状で色柄を組み合わせて模様をつくることもできる、厚みがありかため=踏み心地△・耐久性○ 、厚みは2.5㎜程度が一般的。
◆長尺シート(防滑性ビニル床シート)
CFやフロアタイルに比べてデザインのバリエーションは少なめ△、シート状で目地が出にくい、元々商業施設やマンション・学校等で広く使われており耐久性〇、厚みは2mm以上が一般的。
■施工事例
【トイレ/クッションフロア】
タイル風の目地が模様と凹みで表現されています。クッションフロアはシート状で目地が出にくいため(シート幅1,800mmが基準となるものが多いので、一般的な広さのトイレなどは継ぎ目なしで施工可能)、水周りや汚れやすい場所に最適の素材です。
【洗面所/フロアタイル】
コンクリート風の模様が施されたフロアタイル。クッションフロアと比べて発泡層がない分、耐久性も高いため洗濯機のような重いものを置いても跡がつきにくいという特徴があります。
【フロアタイル/洗面所】
最近のフロアタイルには、ビニル製の糸を織り込んだ網目模様の製品もあります。質感がリアルで、まるで工芸品のよう。バリエーションの多彩さ、高いデザイン性に注目です。
【キッチン/長尺シート】
大理石風の模様の長尺シートを貼っています。LDK全体は木のフローリングで、水濡れしやすいキッチンはビニル製の床材にといった使い分けをされる方も多いです。使い分ける場合は見た目が不自然にならない位置で切り替え、見切り材を入れるなど工夫を行います。
【洗面脱衣室/長尺シート】
洗面脱衣室にグレー系のマーブル模様の長尺シートを貼っています。長尺シートの場合、クッションフロアやフロアタイルと比べ、色柄のバリエーションは少ないものの、その分格調高くまとまりのよいインテリアになるという側面もあります。
●その他の床材いろいろ
■タイル
格調高い雰囲気をもたらす素材としてタイルは昔から人気の素材です。今は滑りにくい商品も登場し、玄関はもちろん、土間、キッチン、洗面所、ペット用スペースなど幅広い空間に使われています。
【玄関/タイル】
ここでは、玄関および玄関収納にタイルを使用。間接照明の効果もあり、黒の大判のタイルは高級感を醸し出します。
【玄関/タイル】
タイルの形は四角形だけではありません。こちらは不規則な形をしたモザイクタイルを貼って虹の模様をデザインした夢のある玄関です。
■タタミ
かつて和の様式が当たり前だった日本の住宅は、現在では洋室が中心になりました。
それに伴い、和室にも畳縁のない正方形のタタミなど和洋いずれの部屋にも調和するタイプが人気を呼んでいます。畳のつくり自体も変化し、芯材に稲わらを使った昔ながらの本畳に代わり、ポリスチレンフォームなどの人工素材が使われるようになり、抗菌効果などの機能性が付加された製品もあります。そのほか、昔ながらのイグサの香りを楽しみたいという方には、天然の畳表や、コーティングされた和紙や樹脂を用いた畳表を使った製品も根強い人気があります。
【和室(客間)/タタミ】
グレー系のカラー畳を市松模様のように配置し、シックにまとめた和室です。
【和室(寝室)/タタミ】
近年は半畳タタミを取り入れる人が増えていますが、1畳タイプの場合でも縁なしのものを選べば、半畳タタミと同様にモダンな雰囲気になります。1畳タイプは広めの部屋におすすめです。
■土間
かつての日本家屋には当たり前のように「土間」がありました。その土間が現在は、土足でOKの便利でおしゃれな空間として一戸建てはもちろん、マンションでも人気となっています。最も多いのは玄関から続くウォークイン収納。そのほか、リビングや愛犬のスペースなどさまざまな用途に利用されています。収納、趣味やコミュニケーションの場として大活躍する土間はこれからもますます人気を呼びそうです。
【キッチン/土間】
LDKの床を土間にするとおしゃれです。水分の浸透や汚れを防ぐために塗膜をコンクリートの上から塗装するので、土足でも安心です。
今回取り上げた以外にもコルク、バンブーなどの自然素材を用いた床材もあります。
それぞれ機能面やお手入れ方法も異なり、長所もあれば弱点もあります。
ぜひ専門家の意見も参考にして、おしゃれで快適に過ごせる床を手に入れてください。